爪水虫はどんな病気?
爪水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種の感染によって引き起こされる爪の病気で、医師の間で爪白癬(つめはくせん)とよばれています。白癬菌の感染による病気は爪以外にも生じることが知られており、足であれば足白癬(水虫)、頭であれば頭部白癬(しらくも)とよばれています。
爪水虫にかかった爪は、白色や黄色に濁ったり、厚くなってぼろぼろと欠けたりします。水虫というとかゆくなるイメージが強いですが、爪水虫は、かゆみがないため見過ごされがちです。


どうやって爪水虫になるの?
爪水虫は水虫(足白癬)を長年放置することで、白癬菌が皮膚から爪に侵入して発症します。
爪水虫を放っておくとどうなるの?
爪水虫を放っておくと、だんだん爪が変形し厚くなり、痛くなったり靴下や靴が履きづらくなったりします。
また、自分の体のほかの部位に感染したり、家族などまわりの人にうつす可能性があります。
自分だけでなく、家族も足や爪の水虫にかかっていないか確認し、家族全員で予防と治療をすることが大切です。

皮膚科を受診した日本人の10人に1人が爪水虫!
日本で行われた2つの大規模疫学調査では、皮膚科を受診した日本人の5人に1人が足の水虫、10人に1人が爪の水虫にかかっている可能性があるという結果が出ています。
この結果から計算すると、日本にはおよそ1,200万人もの爪水虫患者さんがいると推測できます。

爪水虫はどうやって診断されるの?
爪の病気には爪水虫と似ていて、間違えやすい病気がたくさんあります。
医療機関でしっかりと検査を行い、原因を調べることが重要です。

間違えやすい病気




爪水虫はどうやって治療するの?
爪水虫には抗真菌薬(原因となる白癬菌等を死滅させる薬)による薬物治療が主に行われます。抗真菌薬には、塗って治す外用薬と、飲んで治す内服薬があります。
内服薬は、体内に取り込まれ、体の内側から治すのに対して、外用薬は爪に直接塗り、有効成分が爪の中や爪の下に浸透して白癬菌が潜む場所まで届くことで、増殖した白癬菌を死滅させます。
どちらの薬もドラッグストアや薬局では販売されておらず、医療機関で医師に処方してもらう必要があります。

治療にはどれくらいの期間がかかりますか?
抗真菌薬の効果が現れると爪の根元の部分から感染していないきれいな爪が少しずつ伸びてきます。爪水虫が治るには、感染部分が新しい爪に生えかわる必要があり、通常、爪が生えかわるには手の爪で半年から1年、足の爪で1年から1年半かかるといわれています。爪水虫が完治するには長期間の治療が必要です。根気よく、じっくりと治療を続けましょう。

きちんと治すために大事なことは?
爪と足の水虫の両方に感染している場合は、一緒に治療する必要があります。白癬菌は家族内感染しやすいといわれており、家族の中に爪や足の水虫の人がいる場合は、家族の方も一緒に治療しましょう。
爪水虫は見た目がきれいになっても実際には白癬菌が残っていることもあるので、自己判断で治療をやめたりせず、医師の指示を守って治療を継続しましょう。
日常生活で気をつけることは?



