
骨折の中にはレントゲン写真だけでは見つけにくいものがあります。その中の1つである 舟状骨骨折についてご紹介します。
舟状骨とは
- 手関節を成す8つの手根骨の1つです。
- 親指側にある重要な骨の1つで、手根骨の中で最も損傷を受けやすいとされています。
- もともと血行が悪く骨折すると治りにくいです。
原因
- 舟状骨骨折は、受傷機転から疑われます。
- 主にスポーツや交通事故で後ろ向きに転び手首を背屈して手をついた時によく起こります。
症状
- 受傷直後は手首の親指側が腫れて、痛みがあります。
- 「スナッフボックス(解剖学的嗅ぎタバコ入れ)」を圧迫すると痛みが誘発されます。
検査
- まずレントゲン撮影を行い、早期では発見しにくいことが多いので正面・側面・斜めの方向から撮影します。
- レントゲンで不明な場合は、MRI検査を行ってから確定診断をします。
- 舟状骨骨折で最も多い骨折部位は・・・
舟状骨の腰部と呼ばれるくびれの部分です。 - 舟状骨は指先から手首に向かい血液供給がされているので、腰部の骨折では手首側の血流不全が起こりやすくなります。


- 急性期を過ぎると一時は軽快するものの骨折に気付かず放置していると偽関節と呼ばれる状態になります。
- ※偽関節とは骨折した骨がつかずに、関節のように動くものです。
- また、手首の関節の変形が進行することにより、痛みが生じ、力が入らなくなり、動きにくい状態になります。
治療
- 早期や骨折部に大きなズレがない場合は約8〜12週間のギプス及び専用の装具による固定で治すことができます。
- 治療期間の短縮目的や、偽関節になった場合は手術による固定を行います。