
正常な関節
・正常な関節でも2ml前後の関節液が存在します。粘り気のある液体で関節の潤滑油の役割や関節軟骨へ栄養を運ぶ役割をしています。
・関節に炎症がおこると、この関節液が増加し、俗に言う 「膝に水が溜まる」状態になります。
・水が溜まると関節の袋である関節包が引き伸ばされ、膝関節が腫れぼったく重苦しさを自覚します。
原因
・変形性膝関節症→膝の軟骨がすり減り膝の不安定性や筋力低下をまねきます。すり減った軟骨の砕片が滑膜炎をおこし炎症をおこした滑膜からは多量の関節液やさらに炎症を誘発する種々の化学物質が放出され軟骨の変性を進行させます。
他にも | ||
---|---|---|
・関節リウマチ | ![]() |
|
・結晶誘発性関節炎(痛風、偽痛風) | ||
・化膿性関節炎 | などでよくみられます。 |
では、なぜ水をぬくのでしょうか?
@水が溜まって高くなった関節内の圧を下げて症状を和らげ膝の動きをよくする。
A関節包が伸びることで筋萎縮が進行するのを防ぐ為。
B注射液が希釈されることを防ぎ、注射の効果を上げる為。
C関節内の炎症をおこす化学物質を取り除く。
D関節液を調べて、含まれている菌や結晶などから水が溜まる原因を見つける。
※などの目的で水をぬき、その性状から原因を調べ治療に生かしていきます。
水をぬくと癖になる?
・水をぬいてもすぐに溜まるのは、関節の炎症が治まっていない為で癖になるのではありません。
・治療により炎症が鎮まれば水は徐々に減少したり、もしくはなくなっていきます。
自分でできる日常生活の注意点
@保温→温泉やお風呂に浸かってゆっくり温めましょう。
Aエクササイズ→自身の筋肉で天然のサポーターの役割を果たします。
B階段や坂道はゆっくりと。
C重たい荷物は持たない。最小限にとどめる。
D和式の生活は洋式の生活にする。
炎症症状の強い時は注射や内服の治療も併用しながら自身の努力で症状緩和、進行の予防に努めましょう。
