転んで傷ができたり、料理中に指を切ってしまったり日常生活でケガをしてしまい、ちょっとしたケガなら自分で処置することも多いと思います。
でも、正しい方法を知っていますか?

T.傷が治るメカニズムを知りましょう
ケガをするとその部分の皮膚が損傷し、出血します。
損傷に反応して血液の血小板が止血をします。
血小板はサイトカインという物資を分泌し、白血球やマクロファージといった貧食細胞を含んだ浸出液を分泌させます。
これらの貧食細胞が傷口の細菌や汚染物質を除去してくれるのです。
更にマクロファージからの細胞成長因子により、組織細胞が増殖して傷を修復してきます。
U.傷の手当の基本は「止血」「洗浄」
・傷が深くないか、異物は入っていないか観察
・自宅で処置できるか、病院へ行く必要があるかを判断
・深い刺し傷や切り傷(特にサビた物に刺さった時)
・動物の噛み傷
・直線ではないギザギザした傷
・化膿した傷
・出血が止まらない傷
・糖尿病や動脈閉そく症など傷の治りが悪くなる持病がある場合
・副腎皮質ホルモンや免疫抑制剤など免疫力を低下させる薬を飲んでいる
@ 猫ひっかき病とは、傷口付近に発疹が出来たりする。
リンパ節が腫れて痛くなる。
A パスツレラ症とは、傷口に痒みが出るほか、化膿によって患部が腫れる
B 破傷風とは、傷口から侵入した菌が毒素を出し、全身の筋肉にけいれんやマヒといった症状を起こす恐ろしい病気

・異物が傷に入っていると感染症や、傷の治りが遅くなる
※けがをしたらお水できれいに洗ってね

・高い位置にあげて清潔なガーゼや圧迫し、止血する
血が出ている時はまず止血することが先決!
滅菌ガーゼを傷口に当てて、浅い傷は軽く、深い傷は強く押えます。
指先などを切った時は心臓より高く挙げると良いでしょう。

・止血と洗浄が終わったら、適切な創傷被覆材を当てる
V.正しい被覆材の選択
薬局で買える被覆材
傷口から出てくる浸出液を吸い取って湿潤環境に保つことができ、入浴も可能である。
注意点として接着が強くその後すぐ剥がす時に傷をいためてしまう恐れ。
病院へ行く前提に被覆するには不向き。
また2歳以下の乳幼児には使用できない。
傷口が観察できないので、正常な浸出液ではなく、感染を起こした時の膿との判別ができにくい。
傷が深い場合、傷が汚い場合には悪化することも!
同様に傷口を湿潤環境に保つことのできる被覆材、医療現場でも使用されるので高価。
・パウダータイプの創被覆材
・工業用テープなど不潔な物
・食品ラップで包む
・湿布で覆う
パウダースプレーの殺菌消毒薬は、かえってキズをひどくすることがあります!!
手軽でしみない消毒薬としてパウダースプレーが人気ですが、傷口の洗浄が不十分だと、細菌が増えて化膿するおそれがあったり、1箇所に噴霧しすぎて凍傷(低温やけど)を起こしたりパウダーが固まって傷の状態がわからず、処置がしづらくなります!!
W.自分で管理する場合の注意点
浸出液が多い、においがある、安静時にうずくような痛み、傷が腫れる、傷のまわりが赤くなる、熱を持っている
→以上の症状がある場合は自己治療を中断し病院へ受診するようにしましょう。