骨折とは

新生児から超高齢者まで誰でも受傷する可能性のある外傷の1つです。
“ひびがはいった”と言われる状態も医学的には明白な骨折です。
分かりやすく説明すると、下図に示すように30代男性の健常な背骨でも、階段から転落すると骨折してしまいます。矢印部分が圧潰を生じています。

一方、ベッドからの起座や床に落ちた物を拾うなど軽微なきっかけで骨折してしまう場合もあります。すなわち、骨強度と外傷の大きさの関係で骨折は生じます。
一般的な骨折は、通常の骨強度 < それを上回る大きな外力
疲労骨折は、 通常の骨強度 < 繰り返される小さな外力
一方、骨粗鬆症に起因する骨折も次のような2つに分類されます。
[脆弱性骨折] 骨粗鬆症の骨 < 通常は骨折しないような小さな外力
[不全骨折] 骨粗鬆症の骨 < 歩行や着替えなどの日常的な外力
脆弱性骨折
通常は骨折しないような軽微な外力で骨折してしまう(よろけて机に手を着くなど)
床の衣服を拾う動作で腰痛が出現した59歳の女性

不全骨折
通常の歩行で骨折が生じた84歳の女性
通常の日常生活で腰背部痛が持続する80歳の女性

疲労骨折
一方、疲労骨折では長距離走などの慢性的な、小さな外力の繰り返しで骨折してしまう。下記の2症例は、ともに17歳であった(矢印は仮骨形成)

骨粗鬆症治療の必要性

一方、骨粗鬆症に起因する骨折は、ガイドラインに示される標準的な治療を行うことで予防が可能になります。
食事や日光浴、軽めの運動に薬物療法を組み合わせて、楽しみながら、根気強く継続することが大切です。