●痛風とは字の通り、「風が当たっても痛い」という症状から命名されたという俗説が信じられているほど激痛を伴う病気です。一旦痛風発作が治まってしまうと先程の激痛はどこへやら？という調子で自覚症状のない病気でもあるのです。

●痛風の患者数は約100万人いるとされており、痛風予備群といわれる人は約1,000万人にのぼると推計されています。

●痛風は体内の尿酸値の高さが原因となって起こります。尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態を「高尿酸血症」といいます。尿酸値が高ければ高いほど、また高尿酸血症の期間が長ければ長いほど、痛風を起こすリスクは高くなってきます。

●血液中に増え過ぎて溢れた尿酸は、関節の軟骨や関節を守る滑膜に付着し結晶となります。
尿酸が剥がれると、免疫細胞である白血球はこれを異物と認識し、攻撃します。この時白血球が出す炎症物質が激しい痛みや腫れを引き起こすのです。

尿酸は体内でプリン体が分解・合成され作られます。通常、役割の終わったプリン体は血液にのって肝臓で分解され尿酸となり、腎臓でろ過され尿と一緒に排せつされます。
体内でプリン体が増え過ぎてしまうのには主に以下の3つの原因があります。

最初の痛風発作の7割は足の親指の付け根に起きます。
その他の場所としては、足の甲や足首、ひざやアキレス腱などが挙げられます。

尿酸値を下げる薬には
�@ 体内で尿酸が作られにくくなる
（尿酸生成抑制薬）
�A尿酸を体外に出しやすくなる
（尿酸排せつ促進薬）
�B 尿酸の再空襲を阻害する
（尿酸再吸収阻害薬）
などを使用します。

痛風のなりやすさを見るセルフチェックです。
10項目の中で5つ以上当てはまると痛風を発症する危険が高いといえます。

食べ過ぎ、運動不足、ストレスといった肥満の原因が尿酸を増やしてしまいます。実際、身長からみた体重の割合を示す「BMI」では肥満になるほど、痛風になる危険度は高くなります。また肥満になると、インスリンというホルモンが増加して、腎臓での尿酸の排せつを低下させて尿酸値を上げます。
[BMI＝体重（kg）÷身長（m）÷身長（m）]

ビール・紹興酒などにはプリン体が多く含まれており、飲み過ぎは尿酸値を上げる原因になります。
一方でプリン体が少ない日本酒・ワイン、プリン体をほとんど含まない焼酎やウイスキーなどにも注意が必要です。
それはアルコール自体に尿酸を増やしてしまう働きがあるからです。

アルコールには、肝臓での尿酸の生産を促進し、腎臓から尿酸の排出を抑制する作用があります。アルコールの利尿作用によっても水分が減るため体内の尿酸が凝縮してしまいます。
また、アルコールを飲むことで食欲増進し、エネルギーの高い食べ物をたくさん摂取してしまうことも痛風の発作に関係すると考えられています。

●プリン体がきわめて多いもの（100g中に300mg以上）は、鶏レバー、まいわし干物、いさき白子、あんこうの肝酒蒸しなどです。
●プリン体が多いもの（100g中に200mg〜300mg）は、豚レバー・牛レバー、かつお、まいわし、大正えび、まあじ干物・さんま干物などです。
●注意が必要な方はプリン体の摂取量を1日400mg以内に収めるようにしましょう。
●プリン体は水に溶ける性質があるため、ゆでる・蒸す・煮るなどの調理法でプリン体を少なく出来ます。ただし、ゆで汁・煮汁にはプリン体が溶け込んでいるので飲まないようにしましょう。